STMのバイアス電圧は、サンプルのフェルミエネルギーを基準としたtipの電位差のことです。STM電流にはサンプルのフェルミエネルギーからtipの電位までの間の電子状態が寄与します。
このようなものが計算されますので、おっしゃっているような計算にはなりません。
バイアス電圧をvs1, vs2, vs3と設定すれば、ef->ef+vs1まで、ef->ef+vs2まで、ef->ef+vs3までの積分がそれぞれ計算されます。なお、電流と対応させる関係で常に正になるように差分の符号がとられます。
なお、バイアス電圧はvoltで与えることに注意してください。原子単位系にはなっていません。